木戸院長は、カウンセリング技術の教育塾「木戸塾」を主宰し、自身の著書も持つ歯科医師だ。だが、同業者の間で一目置かれているのは技術力や発信力だけではない。Notionを中心としたデータ管理の徹底ぶりにある。朝一番、予約表を開くのとNotionを開くのが同時。業務後はスタッフの日報をNotionでチェックする。「結婚もしてなくて子供もいなかったら1日中触ってられる」と笑うほどだ。
売上・キャンセル率・日報など溢れていた経営データをNotionで整備し、日報を入力するだけで売上が自動集計され、売上予測まで立つ仕組みを作り上げた。そのプロセスを聞いた。
(取材・文:mitoki編集部)
データは溢れているのに、経営判断に使えない

mitoki
林
そもそも、記録を取り始めたきっかけは何だったのですか?

木戸院長
2022年にカウンセリングの勉強を始めた頃、iPadで日記をつけ始めたんです。売上を記録して、目標までの数字を日割りで計算する。そのうちキャンセル率も集計するようになって、売上の構成要素を分解していきました。

mitoki
林
そこからNotionに行き着いたのは、なぜですか?

木戸院長
YouTubeの仕事効率化の動画で知りました。GoodNotes、DayOne、TickTick——いろいろなツールを渡り歩いた末です。決め手は「データベース」という概念と、連携の広さでした。あとは、Notionって響きがかっこいい。歯医者がやるのがかっこいいなと思って。

mitoki
林
当時、データはどんな状態だったのでしょうか。

木戸院長
売上やキャンセル率、スタッフの日報などのデータが、ツールやデータベースごとにバラバラでした。それぞれが独立した「点」のままで、全体像が見えない。記録は増えるのに、活かせない状態です。

mitoki
林
一番困っていたことは何ですか?

木戸院長
記録が経営判断に繋がっていないことです。売上だけを追っていても、それを構成する要素までは見えませんでした。
データベースを蓄積・連携するツールとして「今はNotionしかない」と木戸院長は断言する。類似アプリも試したが「物足りない」との評価だった。この確信は、バラバラだったツールを渡り歩き、自分の手で組み上げてきた経験から来ている。
バラバラのデータを「1つの立体」にする

mitoki
林
Notionを使い始めた当初、一番の壁はどこでしたか?

木戸院長
意味がわからなすぎて、最初は箇条書きのメモがやっとでした。リレーションやロールアップの価値がわからず、個別のデータベースをただ並べているだけだったんです。

mitoki
林
転機は何だったのでしょうか。

木戸院長
データベース同士を繋げる仕組みを理解した瞬間ですね。数字が積み上がる感覚が生まれました。点と点が繋がって線になって、それがまとまって平面になって、平面が重なると立体になる。

mitoki
林
今も設計の見直しは続いているのですか?

木戸院長
はい。直近もインセンティブのデータベースの構造更新や、タスク管理の最適化を進めています。独学で築いた土台に情報設計の視点が入って、データベース連携の精度がさらに上がっています。
日報を入力すると、月報まで自動で積み上がる

mitoki
林
今はどうやって売上を管理しているのですか?

木戸院長
日々の売上を日報に1回入力するだけで、Notion上で集計から月報まで自動で積み上がります。

mitoki
林
自費診療の売上はどう管理していますか?

木戸院長
カウンセリングを3プラン用意して、どれが成約になったか、決定額はいくらかまで記録しています。この記録があるから、成約傾向が見えて売上予測が立つんです。

mitoki
林
週次・月次の売上の振り返りはどうされていますか?

木戸院長
週次・月次の振り返りも、同じNotion上で回しています。日々の売上を1回入力するだけで月報まで積み上がるので、集計そのものに手をかけずに済みます。
日報を入力するだけで、集計から月報まで自動で積み上がる
※画像はmitokiが用意したデモ環境の画面です。実際の医院の画面ではありません。
売上予測が立ち、経営が安定する

mitoki
林
データを整備して、経営はどう変わりましたか?

木戸院長
売上の構成要素が分解されて、どこに手を打てば結果が変わるかが見えるようになりました。感覚ではなくデータを根拠に言えます。記録することで売上が上がっている、と。

mitoki
林
ここまで続けられた理由は何でしょうか。

木戸院長
Notionに貯めた情報は完全なオリジナルで、誰にも負けない財産だからです。外から引っ張ってきた情報を少しいじっただけでは、上辺のものにしかならないので。

mitoki
林
蓄積したデータを、この先どう使っていきたいですか?

木戸院長
AIとの連携を考えています。SNSやブログのネタ帳のデータベースを作って、AIに読み込ませて投稿を自動化する構想です。データの蓄積と分析はAIに任せて、自分は人との関わりに時間を使いたいですね。
まとめ
- ツールごとにバラバラだったデータをNotionのデータベースに集約し、リレーションとロールアップで連携させた
- 日報を1回入力するだけで月報まで自動集計され、成約傾向から売上予測が立つ
- 予測可能な売上が、安定した医院経営の土台になる
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