無料相談を予約する

スタッフが納得する歯科医院の人事評価

歯科医院で対話しながら業務を確認する人物のイメージ
STAFF DEVELOPMENT

スタッフが納得する
歯科医院の人事評価

根拠が残る評価の運用方法

人事評価にまつわることで、院内でこんなことは起きていませんか。

  • 昇給や賞与の判断を感覚で決めていて、スタッフに理由を聞かれたときに説明に困る。
  • 評価に納得できなかったスタッフが、辞めてしまった。
  • 評価面談で何を話せばいいかわからない。
  • 評価制度を作ったものの、形だけになっている。

実は、このようなトラブルは、仕組みを変えることによって解消できるかもしれません。

この記事では、AIを活用して納得感のある人事評価を実現する方法を、具体例とともにご紹介します。

なぜ、スタッフは評価に納得できないのか

スタッフが評価に納得できないとき、原因は評価の結果より、根拠や伝え方にあるかもしれません。歯科医院では、次のようなことが起きがちです。

  • 頑張りを見てもらえていないと感じる
    院長は診療に追われ、スタッフ一人ひとりの仕事を見続けることはできません。半年分の評価が最近の出来事や目立った失敗の印象で決まると、本人は「ちゃんと見てもらえていない」と感じます。
  • 評価の理由が具体的に伝わらない
    「なぜこの評価なのか」を具体的な事例で示せないと、本人は結果を受け止められません。不満は表に出ないまま積み重なり、退職のきっかけになることもあります。
  • 次に何を頑張ればよいかわからない
    面談が結果を伝えるだけで終わると、本人はこれからの目標を描けません。期待されていることが見えないままでは、評価制度そのものへの信頼も薄れていきます。
院長から引き続き頑張ってねと言われ、私の評価はどうしてこうなったのか、日々の頑張りは見てもらえているか、次は何を頑張ればよいのかと戸惑うスタッフ。
評価の理由が伝わらないと、スタッフは次に何を頑張ればよいかわかりません。

評価に納得してもらうには、判断の根拠となる実際の事例を示す必要があります。根拠がないままでは、評価制度はうまく機能しません。だからこそ、日々の事例が根拠として残る運用に変えていく必要があります。

根拠が残る評価の運用とは

根拠が残る運用とは、日々の事例を記録しておき、いつでもその記録をもとに評価できる状態を保つことです。具体的には、次の3つを回していきます。

  1. 日々の事例を記録する
    気づいた行動を、なるべく言語化して残します。
  2. 記録した事例を評価項目ごとに整理する
    評価期間中の記録を項目ごとに並べ、評価の根拠にします。
  3. 面談で、事例を示して評価の理由を伝える
    いつ、どんな行動があったかを添えて、評価の理由を伝えます。

事例が記録として残ると、評価面談の中身も変わります。評価の理由を事例で伝えられるので、スタッフは結果に納得できます。納得できれば、話題は「次はどうすれば評価が上がるか」という前向きな話へ移ります。

こうした対話の積み重ねが、スタッフの定着と成長につながります。

とはいえ、気づくたびに事例を書き残すのは、忙しい診療の合間には現実的ではありません。大切なのは、書かなくても記録が自然に溜まっていく仕組みを作ることです。

たとえば、診療やカウンセリングでの会話を録音しておけば、スタッフの説明や声かけがそのまま記録として残ります。予約管理システムやレセコンにも、担当した患者数や自費診療の成約数など、評価の材料になる数字が日々溜まっています。

こうした音声や数字のデータは、AIを使えば評価項目に合わせて整理できます。いちいちメモを取らなくても忙しい日々の中で記録が溜まり、根拠をもとに評価できる土台ができます。

院長が新人へのサポートを日々の記録に基づいて評価し、スタッフがちゃんと見てもらえていたんですね、次も頑張れそうですと納得する面談。
日々の記録をもとに具体的な事例を伝えることで、評価への納得感と次への意欲につながります。

次の章では、根拠が残る評価の運用を実際にどう進めるかを紹介します。

根拠が残る評価の運用を実現する方法

ここからは、根拠が残る評価の運用を進めるための手順を、具体的な例を交えながら順にご紹介します。

STEP 01評価項目ごとに、根拠になるデータを決める

まずは今の評価制度や評価表をベースに、評価項目ごとに何を根拠に評価するかを決めます。

根拠になるデータの種類

  • 定性データ
    診療やカウンセリングの音声データ、日々記録しているメモなどです。説明の仕方や周りへの声かけなど、行動の質を示す根拠になります。
  • 定量データ
    予約管理システムやレセコン、Excelやスプレッドシートで管理している数字です。メンテナンスの継続率や勤怠など、成果や実績を示す根拠になります。
この記事で使う例

歯科衛生士のAさんは経験3年目です。医院では「業績」「能力」「勤務態度」の3つの区分で評価し、評価期間ごとに院長が面談で評価を伝えています。

Aさんの場合の記入例
ABCD
1評価区分評価項目根拠になるデータデータの種類
2業績メンテナンス継続率予約管理システムの来院記録定量
3能力TBI・説明のわかりやすさ診療・カウンセリングの音声定性
4勤務態度協調性・後輩への指導勉強会・朝礼・ミーティングでの発言内容定性
5勤務態度遅刻・欠勤勤怠を管理しているExcel定量
このステップのポイント

これまでの評価ポイントを洗い出し、定性・定量のどちらで測るかを明記しておくことがポイントです。質と量の両面から評価できるよう、両方をバランスよくそろえるのが理想です。

STEP 02記録が自然に溜まる仕組みを作る

STEP 01で決めた定性データと定量データが、日々の業務の中で自然に溜まる仕組みを整えます。記録の手間を最小限に抑えながら、評価の根拠を継続的に残していきます。

定性データは、会話を録音して残す

能力や勤務態度の根拠になる定性データは、診療やカウンセリング、朝礼などの会話を録音しておけば、そのまま記録になります。

  • 医院の環境に合ったツールを選ぶ
    iPhoneのボイスメモやPLAUD NOTEのようなAIボイスレコーダー、Notionの文字起こし機能など、録音から文字起こしまでを自動で行えるツールがあります。医院の環境に合ったものを選ぶのがおすすめです。
  • 後から振り返れるように整理しておく
    録音したデータには、日付・担当スタッフ・番号を振って保存します。誰のどの場面の記録かがすぐにわかり、評価の時期に探す手間がなくなります。

※診療やカウンセリングの録音には、患者さんやスタッフの同意が必要です。また、録音データは個人情報を含むため、保存場所やアクセスできる人を決めるなど、セキュリティ対策を整えておきましょう。

定量データは、システムから書き出して残す

業績や勤怠の根拠になる定量データは、予約管理システムやレセコン、Excelなどにすでに溜まっています。必要なときに取り出せるよう、書き出しの仕組みを整えます。

  • 書き出しの方法とタイミングを決める
    必要なデータをCSVなどで書き出せるかを確かめます。書き出す頻度とタイミングも決め、定期的に書き出せるようにします。
  • 保存場所と更新の手順を決める
    書き出したデータの保存場所を1つに決めます。元のシステムでデータを修正したときに古いデータが残らないよう、更新の手順も整えておきます。
このステップのポイント

データは残して終わりにせず、後から活用しやすい形まで整えておくことがポイントです。運用の手間が減り、評価の時期に混乱せずに済みます。

STEP 03溜まった記録をもとに、評価の理由を伝える

評価の時期になったら、STEP 02で溜めた記録を評価項目ごとに仕分けし、評価の理由を整理して面談で伝えます。記録が増えるほど仕分けには時間がかかりますが、AIを活用すれば効率よく進められます。ここでは、そのやり方をご紹介します。

AIで根拠を評価項目ごとに整理する

ClaudeやChatGPTを活用すると、STEP 02で溜めた定性データと定量データを、評価シートの項目ごとに整理してくれます。[1]

用意するもの
定性データ
  • 診療の会話記録
  • 朝礼の音声データ
  • 診療記録
定量データ
  • 予約システムのデータ
  • レセコンのデータ
  • 売上データ
評価シート
  • STEP 01で根拠を決めた、今の評価シート

3つをAIに渡し、次のように指示します。

指示の例「添付の定性データと定量データから、〇〇さんに関するものだけを抜き出してください。そのうえで、評価シートの項目ごとに、根拠になる事例と数字を日付と記録の番号つきで記入してください。」
AIが記入したAさんの評価シートの例
ABCD
1評価区分評価項目根拠になる事例・数字日付・記録
2業績メンテナンス継続率担当患者の継続率は82%で、前の評価期間より6ポイント上昇9月末時点・予約管理システム
3能力TBI・説明のわかりやすさ前回の磨き残しを模型で示しながら確認し、患者さんから「よくわかりました」と返答があった10/12・診療の録音No.034
4勤務態度協調性・後輩への指導新人の歯科衛生士に、器具の準備の手順を自分から共有した10/20・朝礼の録音No.041
5勤務態度遅刻・欠勤遅刻0回、欠勤0日9月末時点・勤怠のExcel

※患者さんの氏名を伏せるなど、AIに渡してよい情報の範囲は医院で決めておきましょう。[2]

上記のように、評価シートに各項目の内容とその根拠が示されていれば、面談ではシートを見せながら、それぞれのパフォーマンスがどうであったかを根拠を持って伝えられます。あわせて、今回の例には記載していませんが、評価基準もシートに加えておくと、結果がどの評価にあたるのかがよりわかりやすくなります。

このステップのポイント

評価の結果だけでなく、その根拠となる事例と数字をセットで伝えることがポイントです。スタッフの納得感が高まり、次の成長に向けた対話につながります。

まとめ

今回は、人事評価に根拠を持たせるための方法をお伝えしてきました。

根拠をもとに評価を伝える取り組みは、スタッフとの信頼関係を深め、一人ひとりの成長を後押しします。スタッフの成長は、そのまま医院の成長につながります。

まずは今ある評価表をもとに、根拠となるデータを決めるところから始めてみてはいかがでしょうか。

自院に合った評価の仕組みを、一緒に考えませんか。

今回は、評価制度に根拠を持たせる方法を事例とともにお伝えしました。
実際には、医院ごとに評価項目やデータの整え方が異なり、仕組みに組み込むのが難しい場面もあります。
mitokiでは、事例もお見せしながら、医院に合った評価の運用と仕組みづくりを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。

人事評価制度について相談してみる
mitoki

この記事を書いた人

梅澤 幸太

医療業界のAI/DX活用の普及に取り組んでいます。

お役立ち情報一覧へ戻る